不動産が絡む相続は税理士選びを間違えると損をする——宅建士×大家が教える探し方 相続

不動産が絡む相続は税理士選びを間違えると損をする——宅建士×大家が教える探し方

「親が亡くなったあと、実家の土地どうしよう」「アパートを相続することになったけど、税理士ってどこに頼めばいいの?」

そんな相談を、大家仲間や同世代の友人からよく受けます。

僕は宅地建物取引士(いわゆる宅建士)を持ち、家族法人として10年以上、不動産経営を続けてきました。税理士ではないので税務の計算はできませんが、不動産の評価や相続対策については勉強してきたつもりです。

そのなかで気づいたのが、不動産が絡む相続は、税理士の専門性によって納める税額が数百万円単位で変わることがあるという現実です。

この記事では、不動産あり相続の税理士選びについて、できるだけ平易な言葉で説明します。


1. 不動産ありの相続は税理士の専門性で結果が大きく変わる理由

まず大前提として、相続税の申告は「どの税理士に頼んでも同じ結果になる」とは限りません。

たとえば、実家の土地の評価額。路線価(ろせんか)という国が決めた土地の基準値をもとに計算するのですが、土地の形・道路への接し方・周辺の状況によって「減額できる余地」が大きく変わります。この減額計算を丁寧にやるかどうかで、評価額が数百万円単位でズレることがあります。

さらに、小規模宅地等の特例(しょうきぼたくちとうのとくれい)という制度があります。簡単に言うと「自宅や事業用の土地は、一定の条件を満たせば最大80%引きで評価してもらえる」制度です。この特例を使えるかどうか、使い方が正しいかどうかで、相続税が大きく変わります。

不動産に詳しくない税理士だと、この特例の適用を見落としたり、評価額の下げ方が甘かったりすることがあります。


2. 「相続専門」と「不動産相続に強い」は別物

税理士事務所のホームページには「相続専門」と書かれているところが増えています。ただ、「相続専門」と「不動産相続に強い」は必ずしも同じではありません

相続税の申告件数が多くても、扱ってきた案件のほとんどが「預金と株」のケースであれば、不動産評価の経験は浅いことがあります。

不動産相続に本当に強い税理士が扱えるポイントはこういったものです。

  • 路線価による土地評価の減額(奥行補正・不整形地補正など。簡単に言うと「変な形の土地は安く評価できる」ルールを使いこなせるか)
  • 小規模宅地等の特例の適用判断(誰がどの土地をどう取得するかで使えるか変わる)
  • 貸家建付地(かしやたてつけち)の評価(他人に貸している土地や建物は評価が下がる。アパートのある土地などが該当)
  • 法人との関係整理(家族法人で不動産を持っている場合、個人と法人の資産をどう整理するか)

依頼前に「不動産の評価が複雑なケースの申告経験はありますか」と直接聞いてみることをおすすめします。


3. 税理士選びで失敗するパターン3つ

実際に大家仲間の話を聞いていると、失敗パターンはだいたい以下の3つです。

パターン①:「顧問税理士に頼んだ」

法人や個人事業の顧問税理士は、普段の税務(毎年の確定申告や法人税など)はプロです。ただし、相続税は「一生に何度もある話ではない」ので、相続税申告の経験が少ない先生も多くいます。相続は専門性が高い分野なので、顧問税理士に「相続税の申告経験はどのくらいありますか」と率直に聞いてみることが大切です。

パターン②:「知り合いの税理士に紹介してもらった」

紹介自体は悪くありませんが、紹介された税理士が「不動産相続に詳しいかどうか」は別の話です。紹介であっても、複数の税理士と話してみることをおすすめします。

パターン③:「費用が安いところを選んだ」

相続税申告の費用は事務所によってかなり幅があります。安いことは悪いことではありませんが、「安さを優先して不動産評価を丁寧にやってもらえなかった」結果、本来払わなくてよかった税金を払うことになるケースがあります。相続税は一度申告したあとに「やり直し」ができる期限(更正の請求)はありますが、時間的・精神的な負担が大きいです。


4. 不動産あり相続に強い税理士の見つけ方・見分け方

では、どうやって探せばいいか。僕自身も税理士を探すときに使ったことがあるのが、税理士ドットコムという税理士紹介サービスです。

このサービスのよいところは、「相続」「不動産」「地域」などの条件で絞り込んで探せること、そして初回相談が無料の先生も多いことです。

探すときのポイントをまとめます。

確認すべきポイント

  • 相続税申告の実績件数(年間何件申告しているか。多いほど経験が豊富)
  • 不動産評価の経験(「土地の評価が複雑なケースを扱ったことがあるか」を聞く)
  • 複数の相続人がいる場合の対応(相続人同士の調整ができるか)
  • 費用の内訳を明示してくれるか(「不動産が含まれる場合の加算額はありますか」と確認)

初回相談で聞くこと

  • 「この土地の評価で減額できる可能性はありますか」
  • 「小規模宅地等の特例は使えそうですか」
  • 「申告の流れと費用の目安を教えてください」

それと、実際に何人かの先生と話してみて感じるのは、税理士の先生にもいろいろなタイプがいるということです。こちらが質問しにくい雰囲気でコミュニケーションが取りにくい先生もいれば、気さくに何でも聞ける先生もいます。相続は家族のお金や事情まで踏み込んで話すことになるので、僕自身は「この先生には話しやすいか」という相性をかなり重視しています。

また、昨今はITツールを使いこなす先生もいらっしゃいます。オンラインで面談できたり、チャットで気軽に質問できたり、資料のやり取りがスムーズだったり——連絡の取りやすさも先生によってかなり違います。仕事や子育てで忙しい世代には、ここも見ておきたいポイントです。

初回相談で「なんとなく合わないな」と感じたら、別の先生にも話を聞いてみることをためらわないでください。税理士選びは、医師選びと同じで「相性」と「専門性」の両方が大事です。


まとめ

不動産が含まれる相続は、税理士の専門性で納める税額が変わります。

  • 「相続専門」と「不動産相続に強い」は別物
  • 顧問税理士・知り合い紹介・安さだけで選ぶと失敗しやすい
  • 初回相談を複数の先生と行い、不動産評価の経験を必ず確認する

焦って決めてしまうとあとで後悔することもあるので、できれば相続が発生する前から税理士を探しておくのが理想です。

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けいすけ(運営者)

理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。 医療と不動産、両方の現場から見えてくる「親の家のリアル」を、なるべくフラットな視点で発信しています。