管理会社を変えるなら1棟から——複数社に話を聞いて分かったこと 賃貸

管理会社を変えるなら1棟から——複数社に話を聞いて分かったこと

管理会社への不満は、じわじわ溜まります。

連絡が遅い。報告がない。相談しても話が進まない。一つひとつは我慢できる程度なのに、積み上がると「変えたほうがいいのでは」と思い始めます。

でも、いざ変えるとなると怖い。

私も同じでした。そして、こういう結論を出しました。

まず1棟だけ変えてみる。

この記事の結論

  • 不満があっても、全部を一気に変えるのは怖い。 その感覚は正しいです
  • 1棟だけ変えるという方法があります。うまくいけば広げればいいし、合わなければ戻せます
  • 私は複数の会社から実際に話を聞き、「管理のやり方」と「費用」を比べました
  • 変えてよかったと思っています。ただし——どこにも長所と短所がありました
  • 完璧な管理会社を探すのではなく、自分の物件に合う会社を探すほうが現実的です

1. 全部を一気に変えるのが怖い理由

管理会社を変えるというのは、思っているより大ごとです。

  • 入居者さんへの連絡先の通知
  • 鍵や書類の引き継ぎ
  • 家賃の入金経路の切り替え
  • 過去の経緯を知っている担当者がいなくなる

これを同時に複数の物件でやるとなると、どこかで必ず抜けが出ます。しかも、新しい会社が本当に良いかどうかは、やってみないと分かりません。

「不満はある。でも、変えて悪くなったら目も当てられない」——そう思って動けない方は多いと思います。

その慎重さは、間違っていません。

2. だから、1棟だけ試しました

複数の物件を管理してもらっている場合、全部を同じ会社に任せる必要はありません。

私は、まず1棟だけ新しい会社に変えました。

この方法の良いところ

① 失敗しても被害が1棟で済む

新しい会社が期待外れだったとしても、影響はその物件だけです。他は今までどおり動いています。取り返しがつきます。

② 実際の仕事ぶりで比べられる

営業の説明がどれだけ良くても、実際の対応は別物です。1棟任せてみれば、入居者対応の速さ、報告の丁寧さ、トラブル時の動き方が、本当のところで分かります。

③ 判断材料が手に入る

同じ時期に、古い会社と新しい会社の両方を見られます。比較する相手がいるというのは、かなり大きいです。「こんなものだろう」と思っていたことが、実はそうではなかったと気づけます。

逆に、覚悟しておくこと(実際に起きました)

まとめて任せていると条件が良くなることがあります。 1棟だけ切り出すと、その分の条件は悪くなります。私の場合も、そうなりました。

そして、会社が分かれると、自分の手間は確実に増えます。 連絡先が2つになり、報告書の形式も違い、それぞれのやり方に合わせることになります。

この2つは、はっきりデメリットです。 それでも私は「試せること」のほうを取りました。全部を任せたまま不満を抱え続けるより、1棟分の手間で答えが分かるほうがいいと考えたからです。

3. 何社かに、実際に会って話を聞きました

ここは省かないほうがいいです。

私は複数の会社から、実際に話を聞きました。 比べたのは、大きく2つです。

① 管理のやり方

  • 入居者からの連絡を、どう受けてどう動くか
  • 滞納が出たとき、いつ・誰が・どう対応するか
  • 定期的な報告は、どんな形で、どのくらいの頻度で来るか
  • 退去のとき、立会いや原状回復の見積もりをどう進めるか
  • 空室が出たとき、どうやって埋めるつもりか

ここが会社によってはっきり違います。 ホームページを見ても分かりません。会って聞くしかありません。

② 費用

  • 管理報酬は家賃の何%か
  • 新規契約時・更新時の手数料はいくらか
  • 別料金になる作業は何か

⚠️ 費用だけで選ばないでください。 安いところは、その分どこかで手を抜くか、別料金が積み上がります。「何をいくらでやってくれるのか」をセットで比べてください。

4. 変えてよかった。でも、万能な会社はありません

正直に書きます。

変えてよかったと思っています。 不満だった部分は解消しました。

ただ、実際に何社かの話を聞いて、そして実際に任せてみて、いちばん強く感じたのはこれです。

どこにも長所と短所があります。

一番大きかったのは「近いか、遠いか」

比べていて、はっきり分かれたのがここでした。

物件の近くにある会社

  • 何かあったときに、すぐ動ける
  • 地元の事情を知っている
  • ただし——費用が安いところは、管理が雑になりがちでした

しっかりした会社だが、遠い

  • 対応が丁寧で、報告もきちんとしている
  • ただし——遠いぶん、現地に行くまでに時間がかかります

「近くて丁寧で安い」は、ありませんでした。距離と質と費用は、だいたいどれかを諦めることになります。

どちらを取るかは、物件によって変わります。入居者の入れ替わりが多く、細かいトラブルが起きやすい物件なら「近さ」が効きます。長く住んでいる方が多く、大きな判断が中心なら「丁寧さ」のほうが大事かもしれません。

もうひとつ、共通して感じたこと

管理会社を通した修繕は、費用が高くなります。

管理会社が業者を手配してくれるのは、こちらの手間が省けてありがたいことです。ただ、その分の中間マージンは乗っています。

自分で業者を探して直接頼めば、同じ工事がもっと安くできることがあります。もちろん、業者探し・見積もり比較・立会いの手間は自分持ちになります。

手間を金で買っている——そう理解しておくと、納得はしやすいです。ただし、金額が大きい工事になるほど、その差も大きくなります。大規模修繕のような工事は、管理会社任せにせず、自分でも見積もりを取ったほうがいいと考えるようになりました。

全部が揃った会社は、見つかりませんでした。

だから、こう考えるようになりました。

「いちばん良い会社」を探すのではなく、「自分の物件にとって、いま何が一番大事か」を決めてから選ぶ。

築古で入居者の入れ替わりが多い物件なら、客付けの強さが最優先かもしれません。長く住んでいる方が多い物件なら、丁寧な対応のほうが効きます。物件によって、正解が違います。

5. これから変える方へ、順番の提案

私がやった順番を、そのまま書きます。

  1. 不満を具体的に書き出す(「なんとなく嫌」ではなく「◯◯の連絡が◯日かかる」まで)
  2. 複数の会社に、実際に会って話を聞く
  3. 管理のやり方と費用を、同じ項目で比べる
  4. まず1棟だけ変える
  5. 半年〜1年、実際の仕事ぶりを見る
  6. 良ければ広げる。合わなければ、それも分かったということ

⚠️ 1で止まっている方が、一番多いと思います。「不満はあるけど、うまく言えない」——その状態では、次の会社を選ぶ基準も作れません。まず書き出すところからです。

⚠️ また、契約には解約の予告期間が定められています。 何か月前に伝える必要があるかは、いまの契約書に書いてあります。動く前に確認してください。

まとめ

  • 全部を一気に変えるのが怖いのは、当たり前です
  • 1棟だけ変えるという方法があります。失敗しても取り返せます
  • 会社選びは、実際に会って「管理のやり方」と「費用」を比べる
  • 費用だけで選ばない
  • 大きく分かれるのは「近いか、遠いか」。近くて丁寧で安い会社は、ありませんでした
  • 管理会社経由の修繕は高くなります。 大きな工事は自分でも見積もりを取る
  • そして——どこにも長所と短所があります。 完璧な会社を探すより、自分の物件に合う会社を探すほうが早いです

管理会社を変えるかどうかの前に、いまの契約書の中身を確認しておくことも大切です。敷金を誰が保管しているか、家賃はいつ送金されるか、解約の予告は何か月前か——すでにある契約書に、全部書いてあります。

⚠️ 契約や解約の個別の判断は、契約書の内容によって変わります。不安があれば宅地建物取引士や弁護士などの専門家にご相談ください。

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けいすけ(運営者)

理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。 医療と不動産、両方の現場から見えてくる「親の家のリアル」を、なるべくフラットな視点で発信しています。