実家の査定を取る前に確認したい5つのこと——使わない方がいい人もいます

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売却

実家の査定を取る前に確認したい5つのこと——使わない方がいい人もいます

「実家がいくらで売れるのか、とりあえず知りたい」

そう思って査定サイトを開いたところで、この記事にたどり着いたのだと思います。

先に大事なことをお伝えします。査定は、取る前に確認しておくことがあります。 順番を間違えると、時間を無駄にしたり、必要のない電話に悩まされたりします。

そして——そもそも一括査定を使わない方がいい人もいます。

宅建士として、また実際に賃貸物件を管理する立場から、正直なところを書きます。

この記事の結論

  • ① 名義を確認する。親が存命でも、名義が祖父母のままなら査定より先に登記の確認を
  • ② 相続が発生しているなら、遺産分割が先。相続人全員の同意なしに売れません
  • ③ 「すぐ売る」なら一括査定は向きません。使うべきは「まだ売る気はないが相場を知りたい」人
  • ④ 電話は必ず来る。備考欄に一言書くだけで、かなり防げます
  • ⑤ 大差ないのはサイトではなく「登録している業者」。地域によって当たり外れがあります
  • 査定額は売れる金額ではありません。あくまで「この会社が売れると思う価格」です

① 名義は誰になっていますか

意外と多いのが、実家の名義が親ではなく、祖父母のままになっているケースです。

昔は相続登記が義務ではなかったため、名義変更をしないまま何十年も経っている家が珍しくありません。2024年4月から相続登記が義務化されましたが、それ以前の分がすべて片付いているわけではないのです。

名義が違うと、売却の手続きに入れません。査定を取ること自体はできますが、いざ売る段階で止まります。

確認方法は簡単です。

  • 毎年春に届く固定資産税の課税明細書を見る(宛名が名義人です)
  • または法務局で登記事項証明書を取る(1通600円・オンラインなら安くなります)

(課税明細書の読み方はこちらの記事にまとめました)

② 相続が発生しているなら、話し合いが先です

親御さんが亡くなっている場合、遺産分割がすんでいないと売れません

相続した不動産は、いったん相続人全員の共有になります。売るには全員の同意が必要です。1人でも反対すれば進みません。

そして——共有名義のまま放置するのが、いちばんまずいです。共有者が亡くなるとその子どもへ相続され、関係者がネズミ算式に増えていきます。10年後には「顔も知らない親戚10人の同意が必要」という状態になりえます。

詳しくは実家を兄弟の共有名義で相続してはいけないに書きました。

査定より先に、まず家族で方針を決めてください。 順番が逆になると、査定額をめぐって話がこじれます。

③ 「すぐ売りたい」なら、一括査定は向きません

ここが、あまり語られない点です。

一括査定が向いているのは「まだ売る気はないが、相場を知っておきたい」段階の人です。

逆に「もう売ると決めている」「早く現金化したい」人には向きません。 理由は2つあります。

理由1:複数社を競わせると、かえって相場が分からなくなる

査定額は「この会社が売れると思う価格」であって、売却が保証された金額ではありません。契約を取りたい会社ほど高い数字を出す傾向があります。

6社から6通りの数字が返ってきたとき、どれが本当なのか判断する材料が、素人にはありません。かえって迷います。

理由2:やり取りの手間が増える

売ると決まっているなら、信頼できる1〜2社に絞って直接相談する方が早いです。地元で長く営業している会社に足を運ぶ方が、話が具体的に進みます。

まとめると、こうです。

あなたの状況向いている方法
まだ売る気はない。相場だけ知りたい一括査定が向く
売ると決めている。早く進めたい🔺 1〜2社に直接相談する方が早い
名義・相続が未整理まずそちらを片付ける

④ 電話は来ます。でも減らせます

正直に書きます。依頼した会社の数だけ、連絡は来ます。 6社に頼めば6社から来ます。ここをぼかしても仕方がありません。

ただし、減らす方法はあります。

備考欄・要望欄に、こう書いてください。

電話や郵送でのご連絡は不要です。メールのみでのやり取りを希望します。

これだけで、かなり違います。まっとうな会社なら守ってくれます。逆にこれを無視して電話してくる会社は、その時点で候補から外せるので、判断材料にもなります。

⚠️ やってはいけないのが、デタラメな電話番号を入力することです。

「電話が嫌だから」と適当な番号を入れる方がいますが、逆効果です。連絡が取れない依頼者は「本気度が低い」と判断され、後回しにされるか、そもそも査定されません。結果、何も情報が得られずに終わります。

嘘の情報を入れるのではなく、正しい情報を入れたうえで、連絡手段の希望を書く——これが正解です。

⑤ 大差ないのはサイトではなく「業者」です

一括査定サイトの比較記事は世の中にたくさんあります。私も3社の比較記事を書いています。

でも、正直に言うと——サイトそのものに大きな差はありません。

本当に重要なのは、そのサイトに「あなたの地域の、当たりの業者」が登録しているかどうかです。

同じサイトでも、

  • 都市部なら大手が何社も出てくる
  • 地方だと2社しか出てこない

ということが普通に起きます。当たりの業者が登録していなければ、どんなに有名なサイトでも「はずれサイト」になります。

だからこそ、特性の違う2サイトを併用するのが現実的です。提携先の重複を避けられるので、当たりを引く確率が上がります。

HOME4Uは大手中心で都市部に強く、イエウールは地方カバーが厚い、といった違いがあります)

査定額は「売れる金額」ではありません

最後に、いちばん誤解されやすい点を。

査定額 ≠ 売却価格です。

査定額は「この会社が、この価格なら売れると考えている」という見込みにすぎません。実際の成約価格は、査定額より下がることの方が多いです。

そして注意したいのが、極端に高い査定額を出してくる会社です。

契約を取るために高い数字を出し、媒介契約を結んだ後で「やはり下げましょう」と言ってくる——この流れは実際にあります。

査定額の高さだけで会社を選ばないでください。 見るべきは、

  • その価格の根拠を、具体的に説明できるか
  • 近隣の成約事例を出せるか
  • デメリットもきちんと伝えてくれるか

このあたりです。都合の悪いことを言ってくれる会社の方が、信頼できます。

🏠 無料一括査定

5つの確認が済んだ方へ

  • 名義がはっきりしていて、遺産分割も片付いている
  • 「まず相場を知りたい」段階である(すぐ売る人には向きません)
  • 備考欄に連絡方法の希望を書く準備ができている
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まとめ

査定を取る前に、この5つを確認してください。

  1. 名義は誰か(祖父母のままになっていないか)
  2. 相続が発生しているなら、遺産分割が先
  3. すぐ売るなら一括査定は向かない。相場を知りたい段階の人向け
  4. 備考欄に「メールのみ希望」と書く。デタラメな番号はNG
  5. 重要なのはサイトより、登録している業者

そして——査定額は売れる金額ではありません。

急いで数字だけ集めても、名義や相続が片付いていなければ前に進めません。順番を守れば、余計な手間も、余計な電話も減らせます。

実家の話全体の進め方は「親の家、どうする?」完全ガイドに、売るタイミングの判断は親の家を売るタイミングにまとめています。あわせてどうぞ。

けいすけ(運営者)

理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。 医療と不動産、両方の現場から見えてくる「親の家のリアル」を、なるべくフラットな視点で発信しています。